旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
驚いて彼を見上げると「これは、ミルコ族の祝いの席で出される伝統的な料理だ」と言う。
ギトギトとした油で覆われているような肉であるが、食べてみると見た目と違って意外とさっぱりしていた。もう一口、もう一口とフォークを運んでいるうちに、皿の上の肉はなくなっている。
視線を感じてアーネストに顔を向けると、彼は慌てたように顔を逸らし、ダスティンに向かって声をかけていた。
「アーネスト殿」
広い食堂でも、通るような張りのある声。
「お相手がそのような子どもでは、世継ぎの問題があるのでは?」
オレリアは身体をピクリと震わせてから、口元へ運ぼうとしていたフォークを途中で止めた。
「世継ぎの問題? それは、私に言っているのか?」
答えたのはアーネストではなかった。
「悪いが、私はまだまだマルガレットと二人だけの生活を楽しみたいのでな。期待に答えられず申し訳ない。あと、五年くらいは待っていてほしい」
ははっと笑ったダスティンは、隣のマルガレットの耳元で何かをささやく。すると彼女は、ひしっと身体を硬くして顔を真っ赤に染め上げた。
「私が知る限りでは、ゴラン族の族長が十三歳の女性を後妻として娶ったという話もあったはずだが?」
ダスティンは、先ほど「世継ぎの問題」と口にした男を厳しく見つめる。
「確かそのときの族長は、四十過ぎていたのでは? あぁ、それはお前の祖母の話か」
ダスティンがくつくつと笑えば、マルガレットが静かに叱責する。
「失礼した。祝いの場で話すことではなかったな。私もアーネストがやっと結婚をしてくれたから、少し浮かれすぎたようだ」
グラスに注がれた葡萄酒を、ダスティンは口に含む。
ギトギトとした油で覆われているような肉であるが、食べてみると見た目と違って意外とさっぱりしていた。もう一口、もう一口とフォークを運んでいるうちに、皿の上の肉はなくなっている。
視線を感じてアーネストに顔を向けると、彼は慌てたように顔を逸らし、ダスティンに向かって声をかけていた。
「アーネスト殿」
広い食堂でも、通るような張りのある声。
「お相手がそのような子どもでは、世継ぎの問題があるのでは?」
オレリアは身体をピクリと震わせてから、口元へ運ぼうとしていたフォークを途中で止めた。
「世継ぎの問題? それは、私に言っているのか?」
答えたのはアーネストではなかった。
「悪いが、私はまだまだマルガレットと二人だけの生活を楽しみたいのでな。期待に答えられず申し訳ない。あと、五年くらいは待っていてほしい」
ははっと笑ったダスティンは、隣のマルガレットの耳元で何かをささやく。すると彼女は、ひしっと身体を硬くして顔を真っ赤に染め上げた。
「私が知る限りでは、ゴラン族の族長が十三歳の女性を後妻として娶ったという話もあったはずだが?」
ダスティンは、先ほど「世継ぎの問題」と口にした男を厳しく見つめる。
「確かそのときの族長は、四十過ぎていたのでは? あぁ、それはお前の祖母の話か」
ダスティンがくつくつと笑えば、マルガレットが静かに叱責する。
「失礼した。祝いの場で話すことではなかったな。私もアーネストがやっと結婚をしてくれたから、少し浮かれすぎたようだ」
グラスに注がれた葡萄酒を、ダスティンは口に含む。