旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
――懐かしい夢をみたような気がする。
厚手のカーテンの隙間から、細い光が差し込む。
身体を起こすとズキリとこめかみが痛み、アーネストは顔をしかめた。
昨夜は飲み過ぎたかも知れない。
寝台から降り、テーブルの上に用意されていた水差しからグラスに水を注ぐ。半分ほど注いだところで、それを一気に飲み干した。からからに乾いていた身体にじんわりと水分が染み渡る。
飲み過ぎた原因。それは自分でもわかっている。
昨夜、ガイロに来てから初めてオレリアに手紙を書いた。
彼女は毎月手紙をくれ、その手紙はアーネストの机の中に、大事に丁重にしまわれている。確か先日、百四十一通目の手紙が届いたところだ。
初めての手紙は、アーネストがここに来て二十日後に届いた。族長がオレリアから『お義父さん』と呼ばれたがっているという内容を読み、アーネストのときも同じようなことを族長が言っていたのを思い出した。
アーネストの父親はアーネストが生まれてすぐに、部族間のいざこざに巻き込まれて亡くなった。母親はアーネストをひとりで育てようとしていたが、族長が責任を感じたのか、引き取りたいと言ってくれた。
しかし母親とてアーネストは息子、アーネストを手放したいわけでもない。母親はラフォン城で清掃員として働いていたため、そのままアーネストは族長夫婦も我が子のように育ててくれたのだ。
族長夫妻の間にダスティンも生まれた。成長していくにつれ、アーネストは族長を支えられるような人物になりたいと、より鍛錬に励む。
厚手のカーテンの隙間から、細い光が差し込む。
身体を起こすとズキリとこめかみが痛み、アーネストは顔をしかめた。
昨夜は飲み過ぎたかも知れない。
寝台から降り、テーブルの上に用意されていた水差しからグラスに水を注ぐ。半分ほど注いだところで、それを一気に飲み干した。からからに乾いていた身体にじんわりと水分が染み渡る。
飲み過ぎた原因。それは自分でもわかっている。
昨夜、ガイロに来てから初めてオレリアに手紙を書いた。
彼女は毎月手紙をくれ、その手紙はアーネストの机の中に、大事に丁重にしまわれている。確か先日、百四十一通目の手紙が届いたところだ。
初めての手紙は、アーネストがここに来て二十日後に届いた。族長がオレリアから『お義父さん』と呼ばれたがっているという内容を読み、アーネストのときも同じようなことを族長が言っていたのを思い出した。
アーネストの父親はアーネストが生まれてすぐに、部族間のいざこざに巻き込まれて亡くなった。母親はアーネストをひとりで育てようとしていたが、族長が責任を感じたのか、引き取りたいと言ってくれた。
しかし母親とてアーネストは息子、アーネストを手放したいわけでもない。母親はラフォン城で清掃員として働いていたため、そのままアーネストは族長夫婦も我が子のように育ててくれたのだ。
族長夫妻の間にダスティンも生まれた。成長していくにつれ、アーネストは族長を支えられるような人物になりたいと、より鍛錬に励む。