旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
封を開けた手紙を、今度はアーネストがつつっとテーブルの上を滑らせた。
「面倒くさいな」
その気持ちもわかる。なにしろ送り主がトラゴス大国なのだから。
折りたたまれた手紙をゆっくりと開ける様子にはじれったさを感じたが、それだけダスティンは読みたくないのだろう。
文字を追う深緑の眼には、すでに後悔の色が浮かんでいた。
「やはり……読むんじゃなかった」
そう言ったダスティンは、読み終えた手紙をテーブルの上に乱暴に投げ捨てる。
「俺が読んでもいいのか?」
「ああ」
ダスティンは荒々しく返事をしたが、むしろ「読んで欲しい」と行っているようにも聞こえた。
手紙を手にしたアーネストは、一字一句、違わぬように読み進める。
最後まで読み終えたとき、アーネストも後悔した。これは、読まなかったことにしておきたい案件である。
「どうしたらいい?」
「どうしたらいいも何も。受けるしかないだろう?」
「だが私は、すでに結婚している」
ダスティンはアーネストの妹であるマルガレットと、二年前に結婚した。
ハバリー国の国王に就いたのと、ほぼ同時期である。戴冠式は、そのまま結婚式になった。
「面倒くさいな」
その気持ちもわかる。なにしろ送り主がトラゴス大国なのだから。
折りたたまれた手紙をゆっくりと開ける様子にはじれったさを感じたが、それだけダスティンは読みたくないのだろう。
文字を追う深緑の眼には、すでに後悔の色が浮かんでいた。
「やはり……読むんじゃなかった」
そう言ったダスティンは、読み終えた手紙をテーブルの上に乱暴に投げ捨てる。
「俺が読んでもいいのか?」
「ああ」
ダスティンは荒々しく返事をしたが、むしろ「読んで欲しい」と行っているようにも聞こえた。
手紙を手にしたアーネストは、一字一句、違わぬように読み進める。
最後まで読み終えたとき、アーネストも後悔した。これは、読まなかったことにしておきたい案件である。
「どうしたらいい?」
「どうしたらいいも何も。受けるしかないだろう?」
「だが私は、すでに結婚している」
ダスティンはアーネストの妹であるマルガレットと、二年前に結婚した。
ハバリー国の国王に就いたのと、ほぼ同時期である。戴冠式は、そのまま結婚式になった。