旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
「ここもか?」
 左手は、ふくよかな胸元を包み込む。
「アーネストさま……」
 彼女の手が伸びてきて、アーネストの頬に触れる。
「あの男を、忘れさせてください……」
 ――抱いてください。
 そう言った彼女が、口づけをせがむ。
 アーネストは堕ちた。彼女の甘美な誘惑に負けた。
 オレリアに似た女性を、オレリアの代わりとして抱くのだ。
 最低だ。
 こうなったら、堕ちるところまで堕ちてやる――
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