【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)
■第二章
二度目の出会いはひったくりで。
それからは何事もなく、平和な日々が続いていた。
いつも通りに仕事に行き、いつも通りな時間を過ごしていたある日のことだった。
それは仕事帰り、いつもの道を自転車で走っていた時だったーーー。
「えっ……!?」
私の自転車のかごに入れていた私のカバンが、バイクに乗っていた男にひょいっと持って行かれてしまった。
「ちょっと……!!」
私のカバンが……!!
「ひ、ひったくり……!!」
追いかけなきゃ!と思い自転車を走らせようとしたのだが……。
「えっ! こんな時に……!」
こんな時に限って自転車のチェーンが外れてしまい、絡まってしまった。
「どうしよう……」
その時ふと思い出したのが、あの刑事さんだった。
確かあの刑事さんと一度電話した記憶があった私は、スマホを取り出しその番号にかけた。
「はい」
「あ、もしもし。私、柏崎です!」
刑事さんは「柏崎?……ああ、あの時の。どうした?」と私に問いかける。
「助けてください!私、今ひったくりに遭って……! カバンを取られてしまいました!」
「なんだと!?」
「犯人はバイクに乗った男です! 急いで追いかけようとしたんですけど、自転車のチェーンが外れてしまって……」
すると刑事さんは、「柏崎さん、今からそっちに向かう。今どこにいる?」と聞いてくれる。