【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)
「本当、なんでこうなるのか……」
なんか神社に行ってお参りしてきた方がいいのかな……。
「そうだ……資料」
私は会社の同期の葱田(ねぎた)結香(ゆか)に電話をかけた。
「もしもし結香? 私」
「澪奈(れな)?どうしたの?」
「ごめん。明後日の会議で使う資料、パソコンに送ってほしいの」
私がそう伝えると、結香は「え? 資料持って帰ってなかった?」と私に聞いてくる。
「それがさ……さっきひったくりに遭ってね、全部カバンごと持って行かれちゃったの」
私がそう伝えると、結香は「えっ!?ひったくり!? ウソでしょ!?」と驚きを見せる。
「う、うん。カバンの中に資料入れてたから、今手元になくて……」
結香に「アンタ災難だね。この前も殺人事件目撃して、疑われて。今度はひったくり? ツイてないじゃん」と言われて、思わず私は「本当だよ……」と嘆いた。
「今資料パソコンに送るから、ちょっと待っててね」
「うん、ありがとう」
結香は私に「ひったくり犯、見つかるといいね」と言ってくれたから、私も「うん。今警察が、犯人を追ってくれてる」と伝える。
「じゃあ、また明日」
「うん、またね」
パソコンに送られてきた資料の中身を確認した。
次の日はいつも通りに出勤したけど、ひったくり犯がどうなっているのか気が気でなかった。