【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)
その日のお昼休憩の時、ある一本の電話が私にかかってきた。
「はい。柏崎です」
「柏崎さん? 俺だ」
俺だと言われた私は、思わず「俺?……まさか、オレオレ詐欺ですか!?」と言ってしまった。
「何言ってんだよ、アホ。俺だよ、警察だよ」
「あ、ああ……なんだ、刑事さんですか」
俺とか言うから、オレオレ詐欺かと思った……。
「ったく、警察がオレオレ詐欺なんてやる訳ないだろ」
「ですよね……すみません」
私ってば、本当にどうかしている。
「それより、アンタのカバン、見つけたぞ」
「えっ!本当ですか!?」
良かった……!
「ああ。財布の中身だが、金は抜き取られていたが、免許証やカード類などは無事だった。後家の鍵もな」
刑事さんからそう言われて、私はホッと胸をなでおろした。
「そうですか。……良かった」
「後、ひったくり犯も捕まえた」
「ひったくり犯……捕まったんですか?」
本当に……? 良かった。
「ああ。俺が捕まえたよ」
「……良かった。ありがとうございます、刑事さん」
「念のためカバンの中身、確認してもらいたいから、仕事終わったら警察署まで来てくれるか?」
「はい、分かりました」
ひったくり犯も無事に捕まり、カバンも戻ってきたことで安心した私は、午後からの仕事が妙にはかどった。