【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)


「すみません、ここは今通れません」

 焼鳥屋の道を通ろうとすると、近くにいる警察署に止められてしまう。

「え? ここ通れないんですか?」

「はい。先程あちらで殺人事件がありまして……ここは今通れないんです。すみません」

 また殺人事件……。

「さ、殺人事件……ですか?」

「仕方ない。 結香、違う所に行こう」

「そうだね」

 私たちは来た道をUターンすることにした。

 振り返って歩き出した時、私は誰かの背中にぶつかってしまった。

「ぶっ」

「ん?」 

 いたっ! 誰……!?

「あ、す、すみません」

 その背中の人の顔を見ると、そこには……。

「あれ、お前……」

「け、刑事さん……!」

 また刑事さん!? こんな所で会うなんて……。

「またお前か」

 また……はこっちのセリフよ!

「なんでこんな所にいるんだ?」

「いえ、あの……その近くの焼鳥屋さんに行こうと思って」

 私がそう言うと、刑事さんは「はあ……。あそこでさっき殺人事件があったから、そこは通れないぞ」と言われた。

「さっき言われました」

「にしても……お前はなんで俺の前に現れるんだ?」

 は? それはこっちのセリフです!

「まさかお前が事件を引き寄せてる、とかじゃないだろうな?」

「はあ? 違います!」

 なんなの?失礼……!
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