【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)
110番してから数分後、パトカーや警察車両が数台やって来た。
そこから降りてきた一人の男性に、私はなぜか目を奪われてしまったんだ。
「通報された、柏崎(かしわざき)さんですか?」
「は、はい。そうです」
「こちらで、発見された時の状況を、詳しく聞かせてもらえますか?」
「は、はい……」
事情をパトカーの中で聞きたいと、パトカーの中へ案内される時、一人の背の高い男性とすれ違った。
忘れもしない、あの日出会った彼のその目は、まるで冷酷そのものだったからだ。
そして私がその人に惹かれていくのは、まだもう少し先の話ーーー。
✱ ✱ ✱
「ありがとうございました」
「い、いえ……送ってくださり、ありがとうございました」
「では」
その後少しの事情聴取を受けた私は、そのまま自宅へと送ってもらった。
「はあ……」
なんだか、疲れた。 おかげで私の帰宅時間は伸びてしまい、気が付けばもう夜二十一時半を過ぎている。
もうこんな時間か……。長かった。
「……お腹、空いた」
そういえば、お昼ご飯以来何も食べていない。お腹が空いているせいか、何を食べたいかも分からない。
食品をしまっている棚を開けて、食べる物を探す。
「うーん……カップ麺しかない」
仕方なくカップ麺を食べることにした私は、カップ麺にお湯を注ぐ。