【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)


「無理無理! ハイスペックな男なんて無理!」

「えーなんでよ!玉の輿に乗るチャンスじゃん!」

「玉の輿って……別に私、玉の輿なんて狙ってないし」

 婚活……ね。 結婚とかそういうの、まだ考えられない。
 今は仕事が大事だし。……でも確かに、子供は欲しいと思うことはあるけど。
 でもはそれであって、あくまでも理想だ。

「まあまあ、気晴らしに行こうよ。ね?」

「……考えとく」

 とりあえず、婚活はまだいいかな。

「ていうか、焼鳥屋行けなくなったし……どうする?」

 私は結香にそう聞かれて、「そうだな……。今日はなんか疲れたし、帰ろうかな」と答えた。

「そうだね。 私も帰ろうかなあ」

 私たちは焼鳥を諦め、それぞれの家に帰ることにした。

「じゃあまた週明けに」

「うん。じゃあまたね」

 駅まで歩いていく途中、さっきの結香の言葉が妙に気になってしまった。

「……運命、か」

 運命なんて、本当にあるのだろうか。 私は運命なんて、信じてはいないけど。

「運命……ね」

 そんなものがあるなら、信じたいよ。

「でも……恋なんて、もういい」

 ずっと報われない恋をしていた私に、恋する資格なんてない。 多分私は、恋愛にはとことん向かないタイプなのかもしれない。
 恋愛が報われた所で、傷つかないことなんてないとさえ感じる。
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