【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)
「ま……それも悪くないかなって、思っただけだ」
「そ、そうですか」
なんだか緊張して、うまく話せない。
「で? 俺と付き合うのか、付き合わないのか。どっちなんだよ」
「えっ」
ど……どうしたら、いいんだろう。
「おい、澪奈」
「あ、あの……」
なんか、簡単に受け入れていいのかも分からない。
「じゃあ俺と付き合うってことで、いいよな」
「えっ!?」
そ、そんな簡単に決めるの……?!
「じゃあ決まりだな。俺と付き合うってことで」
「えっ、待ってください。私はまだ、返事してなっ……」
返事してないです。と言おうとしたが、彼の唇に塞がれてしまい、それ以上何も言えなくされた。
「ん……っ」
これが二回目のキスなのに、ほろ苦いコーヒーの味がして、大人のキスだなと思ってしまった。
「じゃあ今日からよろしく、澪奈」
「は……はい」
これはもう、付き合うという選択肢しかない。 せっかく刑事さんと付き合えることになったんだ。
もっと、喜ばないと……だよね。
「秋文(あきふみ)」
「え?」
「秋文。俺の名前」
「あ、秋文……さん?」
そういえば、名前……知らなかった。ずっと刑事さんって呼んでたから。
「そう。秋文って呼んでいいから」
「素敵な名前、ですね」
「澪奈もな」