【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)


「いいよ、別に。もう気にしてないから」

 秋文さんは私に「澪奈、サンキューな」と微笑む。
 
「秋文さん。またデート出来る日、あったら連絡してね」

「ああ、分かった」

 秋文さんとのデートは、とても貴重なのだ。 警察官が忙しいのは、当たり前だけど、デート出来る日は出来るだけ一緒に出掛けたりしている。

「じゃあ、私はここで帰るね」

「ああ。気をつけろよ」

「うん。……じゃあ、また」

 秋文さんに手を振ると、秋文さんも「じゃあな」と手を振り返してくれる。

 秋文さんのことは好きだし、一緒にいれて私自身も幸せだ。
 だけど私は、秋文さんのことが心配になってしまう。秋文さんがしている仕事は危険な仕事だし、命に関わることだってあるから。
 秋文さんには命を大切にしてほしいし、危険なことはしてほしくはないという気持ちはあるけど、私はそんなこと言えない。

 分かっていることなのに、不安になることが多い。 それは多分、秋文さんのことが好きだからだ。
 だから多分、不安になったり、心配になったりするんだと思う。

 本当に恋愛は、もういいって思ってた。しばらく恋をするのはやめようって、そう思ってたいたのに。
 秋文さんに「俺と付き合うってことで決まりだな」と言われた時、その気持ちすら吹っ飛んでしまった。
 結局、私は彼に恋をしてしまった。
< 36 / 51 >

この作品をシェア

pagetop