【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)
「いいよ、別に。もう気にしてないから」
秋文さんは私に「澪奈、サンキューな」と微笑む。
「秋文さん。またデート出来る日、あったら連絡してね」
「ああ、分かった」
秋文さんとのデートは、とても貴重なのだ。 警察官が忙しいのは、当たり前だけど、デート出来る日は出来るだけ一緒に出掛けたりしている。
「じゃあ、私はここで帰るね」
「ああ。気をつけろよ」
「うん。……じゃあ、また」
秋文さんに手を振ると、秋文さんも「じゃあな」と手を振り返してくれる。
秋文さんのことは好きだし、一緒にいれて私自身も幸せだ。
だけど私は、秋文さんのことが心配になってしまう。秋文さんがしている仕事は危険な仕事だし、命に関わることだってあるから。
秋文さんには命を大切にしてほしいし、危険なことはしてほしくはないという気持ちはあるけど、私はそんなこと言えない。
分かっていることなのに、不安になることが多い。 それは多分、秋文さんのことが好きだからだ。
だから多分、不安になったり、心配になったりするんだと思う。
本当に恋愛は、もういいって思ってた。しばらく恋をするのはやめようって、そう思ってたいたのに。
秋文さんに「俺と付き合うってことで決まりだな」と言われた時、その気持ちすら吹っ飛んでしまった。
結局、私は彼に恋をしてしまった。