【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)


 これで澪奈と会うことはないと思っていたのだが、翌日今度は強盗犯を追っている最中に澪奈に再び再会した。
 犯人を追っている時、犯人が澪奈にぶつかり澪奈が転んだのだった。

「大丈夫ですか?」

 と手を差し伸べたのが、澪奈だったんだ。

「あ、ありがとうございます」

 その顔を見てまたビックリした記憶がある。
 しかも、なんでこんな広いショッピングモールの中で澪奈とまた会うんだ、とさえ思った。

「あれ、お前……昨日の……」

 これは偶然なのか?……と思うくらいに会ってしまった。
 その時は犯人を取り逃がす訳にはどうしてもいかなくて、犯人を追うのを優先したのだが。
 まさかのニ度目の再会があるとは、この時の俺は思ってもいなかった。

 澪奈と次に再会したのは、それから一か月後だ。
その時は、俺の元に澪奈から急に電話がかかってきたのだった。

「はい」

「あ、もしもし。私、柏崎です!」

 どうしたのかと思ったら、今度はまさかのひったくりに遭ったと言ったんだ、澪奈は。
 俺は心底驚いた。今度はひったくりかよ、と。

 殺人事件の目撃から始まって、今度はひったくりに遭っただと?……おいおい、一体どうなってんだよ、こりゃ。
 なんなんだ、あの女は。 アイツやたらと事件を引き寄せすぎじゃないか?
 その時の俺は、そんなことを思っていた。
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