【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)


「柏崎?……ああ、あの時の。どうした?」

 と、俺が澪奈に問いかけた時、澪奈は慌てた様子で俺に「助けてください!私、今ひったくりに遭って……! カバンを取られてしまいました!」と言っていた。

 は? カバンを取られた……だと?

「なんだと!?」 

 おいおい、今度はひったくりかよ!? 本当になんなんだ、アイツは。
 運が悪いにもほどがあるだろう。 殺人事件の後は平和かと思っていたら、今度はひったくり? 
 いや、これは冗談にもほどがあるだろう……。

 澪奈は俺に向かって「犯人はバイクに乗った男です! 急いで追いかけようとしたんですけど、自転車のチェーンが外れてしまって……」 と言った。

 おいおい、自転車のチェーンが外れただと? ウソだろ……。
 とことんツイてじゃねえか、あの女。

「柏崎さん、今からそっちに向かう。今どこにいる?」と聞くと、「今……駅方面です」と答えたので、俺は「十分でそこに行く。俺が行くまでそこを動くなよ」と伝え、電話を切ったのだった。
 
 その後犯人がバイクに乗った男だと澪奈が言っていたので、まさかと思い、ひったくりの常習犯が乗っていたバイクの写真を見せた。

「あ、これです! このバイクです!」

 やっぱりか。はあ、またコイツか……。懲りねえな、コイツ。

 それから数日後、無事にひったくり犯を捕まえた。
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