【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)

エピローグ



「秋文さん?」

 ある日の休日の午後十四時。 
 秋文さんに呼び出された場所へ向かうと、秋文さんが背を向けて立っていた。

「来たか、澪奈」

「どうしたの?急に会いたいだなんて」

 秋文さんは私の方に振り返ると、「今日は、澪奈に大事な話があってさ」と私の方に歩いてくる。

「大事な話……?」

「そう。どうしても、澪奈に直接伝えたくて」

 私に直接、伝えたいこと? え、なんだろう?

「なに?」

「澪奈。俺さ、澪奈のありがたさが本当に身に沁みててさ」

「うん?」

「澪奈がどれだけ、俺にとって大切な存在か、ようやく分かったんだよ」

 秋文さんの言うことに、イマイチピンとこない。

「澪奈の言うとおり、俺と澪奈って運命なのかもしれないな」

「え?急にどうしたの? 秋文さん、なんか変じゃない?」

 いつもの秋文さんじゃない。 なんなんだろう?なんか、違和感しか感じない。

「……澪奈」

「ん……?」

 秋文さんは私の手を取ると、私に「俺からのプレゼント、受け取ってくれるか?」と私に言った。

「え……? プレゼント?」
 
 私に、プレゼント? 何なに? プレゼントってなに?

「そう。 さ、目を閉じて」

「う、うん」

 言われた通り、目をそっと閉じる。 するとーーー。
 なんだか指に、少しだけ違和感がある気がした。
< 48 / 51 >

この作品をシェア

pagetop