【完結】無愛想刑事に恋したら溺愛されました(仮)
その後買い物を済ませた私は、自転車を取りに帰るため一度会社へ向かった。
そういえばさっき、事件の捜査って言ってたけど……あの事件の犯人、まだ捕まらないのかな。
早く捕まってほしいな。じゃないと……あの人、報われないよね。
自転車を会社へ取りに行ってから自宅に戻る途中、昨日の事件現場の前をなぜか気になって通ってしまった。
事件現場は昨日のままになっていて、まだ黄色いテープが貼られて立ち入り禁止の状態になっていた。
私は近くに自転車を止め、事件現場の前に歩いていく。
「あの……」
「すみません、ここは立ち入り禁止ですので」
しかし、近付くと立っていた警察官に止められてしまう。
「あの……犯人はまだ、捕まらないですか?」
警察官に話しかけるが、「すみません。事件のことは、お話出来ない決まりとなっていますので」と断れてしまう。
「そうですか。……分かりました」
諦らめて帰ろうとした時、昨日私に事情聴取をした刑事さんと目が合った。
「あれ、昨日の……」
「あ……昨日は、どうも」
挨拶すると、刑事さんに「今日は、どうされたんですか?」と問いかけられた。
「あ、いえ……なんか、気になってしまって。すみません」
「そうですか。 現在我々で、犯人を追っていますので」
「はい。頑張ってください」