初恋フォトグラフ
幸い私の家と浜崎くんの家は学校から遠く、この学校の生徒には、見られる可能性が低いということ。
私たちは同じ駅から電車に乗るため、不自然ではないという事だった。
「それじゃ改めてこれからよろしくね」

その日から私たちは登下校を一緒にするようになった。
駅に着くと、なるべく手を繋ぐようにして、付き合っていることを相手に認識させた。
確かに誰かから見られている感じがする。
私を家まで送り届けてから、浜崎くんが家に帰るというのを何回か続けた。
たまにどこかによってデートをしているようにも見せた。
そして、一カ月経とうとした時に、事件が起こった。
なんと浜崎くんに付き纏っていた女子生徒が話しかけてきたのだ。
「なんで…なんで裕くんに近づくの…!」
私の家の近くまできた時に、目の前に現れたのだ。
「悪いけど、これ以上浜崎くんに近づかないでくれる?」
「なんであんたなんかにそんなこと言われなきゃいけないの⁈」
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