恋の障壁は0.1㌧!〜痩せたら大好きな彼に復讐しようと思ってました、だがしかし〜

9.

 はじめのうち、私は三日に二日はサボろうとしていた。
 
 しかし、Datgngはあの手この手でワークアウトをするように勧誘してくる。
 のみならず、食事や生活全般にも口を出してきた。
 
『着たい服を想像してみて?』
「……したよ……」
 
 服を設定したあと、知りたくないというように目をそらした。
 武尊に愛されていると実感していたとき、幾度となく想像してきたウエディングドレス。
 
 ぱ、と『優希』のアバターがドレス姿に変わった。
 残酷にも、九号サイズをそのままぽっちゃりボディに着せたものだから、縫い目が裂けている。
 ファスナーは壊れ、『優希』は酸欠なのか青い顔をしている。
 
 リアルすぎて、私はタブレットを投げたくなった。
 
『これが現在』 
 
 なんとDatingも同じドレスを着ている。
 怒っていたのに笑ってしまった。

『そして、優希の未来』
 
 ドレスを優雅に着こなした私自身がタブレットから微笑みかけてきたので、タブレットの画面に見入ってしまう。
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