恋の障壁は0.1㌧!〜痩せたら大好きな彼に復讐しようと思ってました、だがしかし〜

10.

 
『今日はこのまま、ワークアウトをしよう』
「このまま?」
 
 私の返事が聞こえなかったのか、Datingはドレス姿のまま今日のエクササイズを指導してくれる。
 シュールだが可愛くて、そのままにしてしまう。

 Datigはイケメンだからウエディングドレスを着ても似合いそうなものだが、無理やりきせられてる感が半端ない。
 対してアバター『優希』はサイズさえ合えば似合いそう。
 ふと。

『ねえ、Dating。今の私に似合うドレスを選んでくれる?』

 そんなことできるのだろうか。
 アバターはしばらく考えていて、やがて『優希』のアバターが変わった。
 
「あ」

 肩までのセミロングが、ふわふわのロングソバージュになっている。
 ボディスはハート型のビスチェのAライン。
 肩はショルダーのフリルがそよいでいる。
 ぽっちゃりしているけれど、可愛い。

『どんな人間どんな体型であっても、長所を引き立たせ弱点をチャーミングに見せる服をまとえば、似合うし素敵だ』

 ドキドキする。

「……それはもしかしたら、私痩せなくていいってこと?」
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