恋の障壁は0.1㌧!〜痩せたら大好きな彼に復讐しようと思ってました、だがしかし〜
11,
「好きだ、今でも大好きだ」
切なそうに苦しそうに言われて、自分も苦しくなる。
彼の表情が『嘘』なら、結婚詐欺師は一人も存在しなくなる。
「優希と一緒に過ごしたかった。好きじゃなきゃ、こんな不安定な仕事に誘わない。お前に心配かけさせない、と発奮しまくった」
じゃあ。
「あの人のことは?」
彼女のことを思うだけで、どす黒い思いに苛まれる。
「……あの人?」
記憶がないみたいな武尊の表情。
某医療メーカーの令嬢兼社長秘書の名前をあげた。
とたんすっごく嫌そうな顔をする。
「『しつけの悪い娘さんですね』と、親にクレームを入れた」
「え!」
さらには武尊のほうから業務提携を断ったのだと。
「なんでそんなことっ……」
私が青くなって訊けば、武尊は怖いくらいの目力で見つめてくる。
「惚れた女を傷つけるような会社に尻尾振るほど、プライド捨ててないんでね」
どうしよう、にやけたくなってしまう。
「代わりに業務提携したのが万里子さんの会社」
令嬢の所属しているメーカーより大手。
万里子さんは企画室でジュニア・マネージャーを任せられている。
権限は令嬢の父親より大きいかもしれないと。
「そっか」
ならよかった。
「他には?なんでも話す。訊いてくれ」
「じゃあ」
ゴクリと唾を飲み込む。
「Datingの中の人って、武尊?」
武尊はまっすぐ私の目を見たまま答えた。
「ああ」
切なそうに苦しそうに言われて、自分も苦しくなる。
彼の表情が『嘘』なら、結婚詐欺師は一人も存在しなくなる。
「優希と一緒に過ごしたかった。好きじゃなきゃ、こんな不安定な仕事に誘わない。お前に心配かけさせない、と発奮しまくった」
じゃあ。
「あの人のことは?」
彼女のことを思うだけで、どす黒い思いに苛まれる。
「……あの人?」
記憶がないみたいな武尊の表情。
某医療メーカーの令嬢兼社長秘書の名前をあげた。
とたんすっごく嫌そうな顔をする。
「『しつけの悪い娘さんですね』と、親にクレームを入れた」
「え!」
さらには武尊のほうから業務提携を断ったのだと。
「なんでそんなことっ……」
私が青くなって訊けば、武尊は怖いくらいの目力で見つめてくる。
「惚れた女を傷つけるような会社に尻尾振るほど、プライド捨ててないんでね」
どうしよう、にやけたくなってしまう。
「代わりに業務提携したのが万里子さんの会社」
令嬢の所属しているメーカーより大手。
万里子さんは企画室でジュニア・マネージャーを任せられている。
権限は令嬢の父親より大きいかもしれないと。
「そっか」
ならよかった。
「他には?なんでも話す。訊いてくれ」
「じゃあ」
ゴクリと唾を飲み込む。
「Datingの中の人って、武尊?」
武尊はまっすぐ私の目を見たまま答えた。
「ああ」