恋の障壁は0.1㌧!〜痩せたら大好きな彼に復讐しようと思ってました、だがしかし〜

14.

 私は、昔から自分の負の気持ちや、ドロドロした感情が嫌いだった。
 武尊のそばにいられる女性への嫉妬や、彼への恋しさ余って恨めしい気持ち。
 よりによって、武尊本人にぶつけていたとは。

「私、Datingと会っている時、全然可愛い女の子じゃなかった……」

 ありのままの心情をさらしていたのが恥ずかしい。
 武尊や森君が私に心を砕いてくれてたのに、気づきもしなかった。

 申し訳なさもあいまって逃げ出そうとしたが、武尊の強い腕が伸びてきて彼の腕の中に閉じ込められてしまう。

「俺と同じで、ドロドロな部分もパッションな部分もある。なのに、人前ではにこにこしてる。可愛かったし、尊敬した。惚れ直した」

 これは夢だろうか。自分に都合が良すぎる。
 頭を上げて武尊の表情を確認しようとするも、かえって強く抱きしめられる。

「お前が弱っている時にそばにいてあげられなかった、ごめん」

 辛そうな声だった。
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