輝く未来の国王は 愛する妃と子ども達を命に代えても守り抜く【コルティア国物語Vol.2】
「それではこれより、我がスナイデル王国とコルティア国との平和友好条約締結の儀を執り行います」

外務大臣が高らかに宣言し、きらびやかな大広間に集められた要人達は、入場してきたスナイデル国王とフィルに注目する。

クリスティーナも、スナイデルの王妃と並んでその様子を見守った。

まずは、友好条約の内容を外務大臣が読み上げる。

「第一条
 スナイデル王国及びコルティア国は、両国間の永久の平和及び永続する友好関係を維持するものとする。

第二条
 両締約国は、他方の締約国の主権、独立及び領土の保全を尊重することを約束する。 

第三条
 両締約国は、両国間に生ずることがあるいかなる紛争をも、平和的手段によって解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを約束する。

第四条
 両締約国は、他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

第五条
両締約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力する。

第六条…」

ガクンと頭が揺れ、クリスティーナはハッと目を覚ます。

子守唄のような条約の読み上げは続いており、慌てて居住まいを正すと何食わぬ顔で微笑みながら顔を上げた。

と、フィルとバッチリ目が合う。

寝てたな?と言わんばかりのフィルの目つきに、何のことやら?と、クリスティーナはとぼけて視線を逸らした。

ようやく読み上げが終わり、スナイデル国王とフィルがそれぞれ羽のついた万年筆でサインをする。

固い握手を交わしたあと、記念撮影をして無事に条約は締結された。
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