輝く未来の国王は 愛する妃と子ども達を命に代えても守り抜く【コルティア国物語Vol.2】
第七章 必ず無事に
静まり返った部屋で、クリスティーナはしばらく呆然としていた。
スナイデル国王の兄であるあの執事は、間もなくコルティア国に声明文を出すつもりなのだ。
そうすればどんな混乱が起きるのか、恐ろしくて想像すらしたくない。
(国王陛下も王妃陛下も、心配のあまり要求を受け入れざるを得なくなってしまうかも)
弟のスナイデル国王も、コルティア国王太子夫妻を幽閉していると言われれば、仕方なく王の座を兄に空け渡してしまうだろう。
(そうすればもう執事の思う壺。一気に諸外国にも戦を仕掛けられてしまうわ)
声明文を出される前になんとかしなければ。
でもどうすれば?
こんな時、いつもならフィルと一緒だった。
どんなピンチも二人で乗り越えてきた。
けれど今はフィルを頼れない。
初めて自分一人で戦わなければならないのだ。
クリスティーナは、挫けそうになる気持ちを必死で奮い立たせた。
(フィルの分まで私がなんとかしてみせる。そして必ず子ども達のところへ帰るのよ。フィルと一緒に)
そうだ、母親の自分がこんな弱気でどうする。
クリスティーナは顔を上げると、大きく息を吸い込んで決意を固めた。
スナイデル国王の兄であるあの執事は、間もなくコルティア国に声明文を出すつもりなのだ。
そうすればどんな混乱が起きるのか、恐ろしくて想像すらしたくない。
(国王陛下も王妃陛下も、心配のあまり要求を受け入れざるを得なくなってしまうかも)
弟のスナイデル国王も、コルティア国王太子夫妻を幽閉していると言われれば、仕方なく王の座を兄に空け渡してしまうだろう。
(そうすればもう執事の思う壺。一気に諸外国にも戦を仕掛けられてしまうわ)
声明文を出される前になんとかしなければ。
でもどうすれば?
こんな時、いつもならフィルと一緒だった。
どんなピンチも二人で乗り越えてきた。
けれど今はフィルを頼れない。
初めて自分一人で戦わなければならないのだ。
クリスティーナは、挫けそうになる気持ちを必死で奮い立たせた。
(フィルの分まで私がなんとかしてみせる。そして必ず子ども達のところへ帰るのよ。フィルと一緒に)
そうだ、母親の自分がこんな弱気でどうする。
クリスティーナは顔を上げると、大きく息を吸い込んで決意を固めた。