輝く未来の国王は 愛する妃と子ども達を命に代えても守り抜く【コルティア国物語Vol.2】
第九章 共に二人で
「それで、どこまで聞いてる?」
先ほどクリスティーナに縛り上げられた兵の横をすり抜け、搭の階段を駆け上がりながらフィルが尋ねる。
「現国王の兄、グラハム2世がクーデターを起こしたってことまで」
クリスティーナも走りながら答えた。
「コルティアに声明文を出したことは?」
「え、もう出したの?」
「そうらしい。もうじき父上のもとに届くはずだ」
「そんな…。私達が無事だってこと、どうにかして知らせられないかしら。コルティアから一緒に来たお付きの人達も、上手く言いくるめられて帰されてしまったのよ」
「なるほど。つまり、俺とクリスの二人だけってことだな。上等だ」
ニヤリとフィルがクリスティーナを振り返る。
「俺とクリスが最強ペアだってこと、とくと思い知らせてやろうぜ」
クリスティーナは肩をすくめると、腰に差していた剣を1本フィルに手渡した。
「ほどほどになさいませ、王太子殿下」
「そちらこそ、王太子妃殿下」
顔を見合わせてクスッと笑うと、二人は再び表情を引き締めて走り出した。
先ほどクリスティーナに縛り上げられた兵の横をすり抜け、搭の階段を駆け上がりながらフィルが尋ねる。
「現国王の兄、グラハム2世がクーデターを起こしたってことまで」
クリスティーナも走りながら答えた。
「コルティアに声明文を出したことは?」
「え、もう出したの?」
「そうらしい。もうじき父上のもとに届くはずだ」
「そんな…。私達が無事だってこと、どうにかして知らせられないかしら。コルティアから一緒に来たお付きの人達も、上手く言いくるめられて帰されてしまったのよ」
「なるほど。つまり、俺とクリスの二人だけってことだな。上等だ」
ニヤリとフィルがクリスティーナを振り返る。
「俺とクリスが最強ペアだってこと、とくと思い知らせてやろうぜ」
クリスティーナは肩をすくめると、腰に差していた剣を1本フィルに手渡した。
「ほどほどになさいませ、王太子殿下」
「そちらこそ、王太子妃殿下」
顔を見合わせてクスッと笑うと、二人は再び表情を引き締めて走り出した。