輝く未来の国王は 愛する妃と子ども達を命に代えても守り抜く【コルティア国物語Vol.2】
病み上がりで戦った疲れもあってか、フィルはしばらく眠ったままだった。
クリスティーナは片時もそばを離れず看病していたが、王妃に促されてドレスに着替え、少しの食事を取った。
半日ほど経って、ようやくフィルは目を覚ます。
クリスティーナはすぐさまフィルの顔を覗き込んだ。
「フィル?大丈夫?」
「…ティーナ」
フィルは優しく微笑むと、クリスティーナの頬に右手で触れる。
「無事で良かった、ティーナ」
「フィルは?まだ痛む?」
「いや、もう平気だ」
「薬草が効いたのね、良かった」
クリスティーナは涙ぐんで、頬に触れられたフィルの右手をそっと両手で包み込む。
「どれ、腕を見せてごらん」
後ろからシャーマンの声がして、クリスティーナは場所を譲った。
フィルが身体を起こすと、シャーマンは包帯を取って傷を確かめる。
「赤みも引いてるね。これならもう大丈夫じゃ」
「ありがとうございます」
礼を言うフィルを、シャーマンは感慨深げに見つめた。
「そなたが太陽の王か…。もはや古い言い伝えは、誰にも信じられずにいたというのに。私の祖先は、やはり正しかった。私はずっとこの時を待っていたのじゃよ」
…は?と、フィルはポカンとしている。
国王が歩み寄り、フィルに詳しく話して聞かせた。
「私ですら、信じていなかったのだよ。何度も抜こうと試みたが、剣はびくともしなかった。私だけではなく、父も祖父もね。だから飾りのように、ダイニングルームに掛けておいた。それがまさか、目の前でいとも簡単に引き抜かれるとは…。驚きのあまり夢でも見ているのかと思ったよ。だが改めて考えてみると納得した。そなたは我がスナイデル王国を救ってくれた英雄だ。この剣を持つにふさわしい。いや、そなたしかこの剣を持つことは許されないのだ」
そう言って、スナイデル国王はフィルに太陽の剣を手渡す。
「我々は未来永劫、あなたに感謝するよ。太陽の王」
国王が頭を下げると、王妃や王子達、その場にいた全員がフィルに深々と頭を下げた。
クリスティーナは片時もそばを離れず看病していたが、王妃に促されてドレスに着替え、少しの食事を取った。
半日ほど経って、ようやくフィルは目を覚ます。
クリスティーナはすぐさまフィルの顔を覗き込んだ。
「フィル?大丈夫?」
「…ティーナ」
フィルは優しく微笑むと、クリスティーナの頬に右手で触れる。
「無事で良かった、ティーナ」
「フィルは?まだ痛む?」
「いや、もう平気だ」
「薬草が効いたのね、良かった」
クリスティーナは涙ぐんで、頬に触れられたフィルの右手をそっと両手で包み込む。
「どれ、腕を見せてごらん」
後ろからシャーマンの声がして、クリスティーナは場所を譲った。
フィルが身体を起こすと、シャーマンは包帯を取って傷を確かめる。
「赤みも引いてるね。これならもう大丈夫じゃ」
「ありがとうございます」
礼を言うフィルを、シャーマンは感慨深げに見つめた。
「そなたが太陽の王か…。もはや古い言い伝えは、誰にも信じられずにいたというのに。私の祖先は、やはり正しかった。私はずっとこの時を待っていたのじゃよ」
…は?と、フィルはポカンとしている。
国王が歩み寄り、フィルに詳しく話して聞かせた。
「私ですら、信じていなかったのだよ。何度も抜こうと試みたが、剣はびくともしなかった。私だけではなく、父も祖父もね。だから飾りのように、ダイニングルームに掛けておいた。それがまさか、目の前でいとも簡単に引き抜かれるとは…。驚きのあまり夢でも見ているのかと思ったよ。だが改めて考えてみると納得した。そなたは我がスナイデル王国を救ってくれた英雄だ。この剣を持つにふさわしい。いや、そなたしかこの剣を持つことは許されないのだ」
そう言って、スナイデル国王はフィルに太陽の剣を手渡す。
「我々は未来永劫、あなたに感謝するよ。太陽の王」
国王が頭を下げると、王妃や王子達、その場にいた全員がフィルに深々と頭を下げた。