幼なじみと両思いになるまで
これ以上陸くんのこと突っ込むと莉子ちゃん嫌がるだろうなって思って私からは何も言わなかった。



莉子ちゃんの事件からしばらく経ったある日。いつものように湊斗と通学していると、

「神山!おはよう!」
「鈴木くん?びっくりした、おはよう!」


「今テスト期間中だから部活ないんだよねー!電車で神山に会えて嬉しい!ひとり?教室まで一緒に行かない?」

「ぁっ1人じゃなくて。だからごめ「鈴木いるならいいじゃん、」

そう言うと湊斗は携帯を操作しながら目も合わせてくれなくて、私と鈴木くんの場所から離れた場所に行ってしまった。
またいつものように胸が苦しくなる。あのキスした以来一緒に住んでても湊斗の接点ってこの通学時間しかないのに。

「俺邪魔だったかな?」
「え?」

その言葉で鈴木くんの顔を見ると、ものすごい緊迫感でなんだか背筋が凍るくらい怖い思いをしたんだ。この時もう少しこの違和感に気づいていれば、って思わざるを得なかった。


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