幼なじみと両思いになるまで
「‥はよ」
そうかったるく挨拶した港斗の周りは人が集まっていた。
「なあー今日放課後空いてる?」
「空いてない。どうせ合コンだろ」
「いや女の子いた方が楽しいじゃん?」
「うざいし無理」
「湊斗いないと盛り上がらないし頼むよ〜」
「陸またしょうもないことやってんの?湊斗くん嫌がってるしやめな」
「莉子には関係ないだろ」
湊斗とも仲良くて、莉子ちゃんの腐れ縁の北条陸(ほうじょう・りく)くん。
陸くんは優しいし良い人なんだけどなんだろう‥とにかくチャラくて女の子大好きって感じ。チャラいのに顔が整ってるせいか、湊斗とセットで学校一イケメンな2人ともてはやされている。
「櫻井の言うとおりな。つーかこの前は陸に騙されて参加しただけだから」
「え、湊斗くんが合コン参加したの?いい加減にしなさいよねーアユミママに悪事バラす」
「それだけはやめろ」
「バラしておいてくれると助かる」
「絶対やめろ」
私は3人のやり取りを前の席で聞いてるしかなかった。