イケメン外国人と親交を深めたつもりが、イケメン異星人と恋人契約交わしてました!
「撤回はお勧めしませんよ? 殺処分になりますし」

いや、笑顔で言うことじゃないし。

「恋人って、故郷の星とかに居ないの?」
「まぁ、飽きてた所に地球への赴任話があったので」

……昭和の大人気歌謡曲(デュエット)かよ。

じゃあ私にもすぐ飽きるんじゃない? と、問う前に否定をされた。

「あ、でも秋良さんとは趣味が合うし。結構長く続くと思います」

何を根拠にそんな、と内心あきれていると、急に真剣な眼差しでライが言った。

「僕はこの約一ヶ月の間、楽しかったけど。秋良さんは、違いました?」
「違……わないけど」
「良かった! じゃ、これからは遠慮なく仲良くできますね。あ、片言で話す僕のほうが好きですか?」
「え? 中身一緒なら別にどっちでも……」
「実はアレ、相手の油断誘うにはいいけど、僕個人としてはまどろっこしいと思ってたので」

まさかのあざと理由……。
あれ? ちょっと待って。

「遠慮って……遠慮してたの?」
「はい。対象者に同意もらえないと、禁止事項に抵触して、良くて強制送還、悪くて殺処分なので」

あっさりと言いきったライが、私の指先にくちづけて、艶っぽく笑う。

「さてと、秋良さん。このままの僕と楽しみます? それとも先に、ファスナー下ろします?」

──欲望か、好奇心か。異国人か、宇宙人か。

どちらせよ、私に断る選択肢はなかった。



       ──END──

※次ページ、『グレイな恋人』に続きます。
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