イケメン外国人と親交を深めたつもりが、イケメン異星人と恋人契約交わしてました!
「あと、これ実は翻訳機も兼ねてるんで」
「翻訳機?」
「僕……そうは見えないかも知れないですけど」

そこで、いったんライは咳払いをした。私の耳の側で、ささやく。

「アホなんで」
「はっ?」
「環境適性とか対処能力とかは高いって評価されたんですけどね。
言語解析レベルが致命的に低くて、上司に『お前はコレでも付けとけ!』って、強制的に」

ふたたびライの手が自分の喉仏に触れ、なんか可愛く微笑んだ。
……うん、実はね、時々感じてたんだ、ライはアホかもって。

いや、よくいえば素直なんだけどさ。
だいたい───。

「そのファスナー、なんで隠しとかないの?」
「えっ? ああ……普段は隠してますよ?」
「……私の前で、うっかりというか油断したってこと?」

ライは私の言葉にうーん……と、うなった。

「秋良さんって、基本的に他人を信用する人ですよね」
「そうかな?」
「そうですよ。気をつけてください? 僕みたいなヤツにだまされないように」

スルリと肩に回された腕に捕らわれて、気づけば背中にライの胸板を感じていて。

「……まさか、わざと見せたの?」
「あれ? 気づいちゃいました?」

ちゅっ、って、うなじにくちづけられた上、また、その色っぽい声が私の耳を支配した。

───だからっ!

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