イケメン外国人と親交を深めたつもりが、イケメン異星人と恋人契約交わしてました!
自分の首の後ろに手を伸ばしたライがファスナーに触れ、カチッと小さな金属音が響く。

彼を見つめたままの私の目に、グラデーションが複雑に絡み合うような、そんな色彩の変化が起こった。

「……は? ウソでしょ……」

ライがいた、その場所に、ライと同じポーズをした存在。

黄褐色の毛並みと、ピンと真っすぐに立った耳。一対の茶色い瞳。
突き出た鼻と、その横にあるヒゲ。

「コレが、僕の真実(ほんとう)の姿です。
───どう思います? 秋良さん」

短い毛に覆われた二の腕と、その先にある大きな手。見せつけるように、にゅっと飛び出す、肉食獣の爪先。

私は、私の心臓がこれでもかという勢いで激しく脈打つのを感じた。

「ごめん……! 吐きそう……!」

思わず、口もとを手で覆う。

だって、ナニ、その姿。それって、アレじゃん。

この地球の、この日本の、ヲタク界隈(かいわい)で言われるところの───。

「獣人じゃん!! え? 何科? ネコにもイヌにも見える!!」

興奮して、興奮しすぎて、心臓ヤバい。
やだ、死にそう!
頭がバカになってきた!

興奮冷めやらない私の前で、至って冷静に正体を明かしたライが自分の姿を見下ろす。

「一応、見た目はドーベルマンに近いのかな。でも、特性とか」
「ごめん! ギュッってしても、いい!?」
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