イケメン外国人と親交を深めたつもりが、イケメン異星人と恋人契約交わしてました!
お互いに、生殖行為でなく、性的欲求の行為であった感は否めない。
……ま、大概の世のカップルって、まずはそうじゃないの?
だから、避妊の問題が問われるわけでさ。

「さっき、少し話かけたんですが、僕、地球上の生き物でいうネコ科とイヌ科の特性に似てて。
実は、生殖器(ペニス)がネコと同じような働きをするんです」
「……ん? ごめん、それって?」

いまの話の流れと関係ある?

「あれ。秋良さん、犬派ですか?」
「まぁ、どちらかと言うと?」

ライの苦笑いに、正直に応じた私に対し、彼がしてくれた説明によると。

ネコの雄の生殖器は、交尾の際に『棘』を出して雌の排卵を促すらしい。なので、受精確率が他の生物より高いのだそう。

つまり、ライは私の身体を傷つけるリスク(棘といっても、実際の棘とは違うみたいだけど)と。
遺伝子的に適合するかはともかく、確率の上では未知数の妊娠の可能性を考えて、避妊具(コンドームに似てたけど厳密には違うとのこと。宇宙人御用達らしい)を使ってくれた訳だ。

「そうそう。遺伝子の話が出てきたところで───秋良さん、契約の履行をお願いしますね」
「は? 契約の履行って、何? あの同意書って、ライと恋人になるってことなんでしょ?
具体的に何かするの?」
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