イケメン外国人と親交を深めたつもりが、イケメン異星人と恋人契約交わしてました!
後出し契約じゃん、そんなの。
いや、私がちゃんと契約書の文言を読まなかったのが悪いの?
やっぱり、マルチ商法まがいな契約だった?

うーん……異星人相手にクーリングオフは効かないよね……。

自分のうかつさに唇をとがらせていると、ライがちょっと笑いながらズボンのポケットから何かを取り出した。

パッキングされた、綿棒に見えますが? これは、アレですかね?

「サンプリングデータの話です。
異星人間における、交遊交接の結果、お互いにどういう影響が出るかという───」
「遺伝子学の研究実験動物(モルモット)扱いってコト?」
「いやだな、恋人たちの標本調査ですよ。ホッペの横、こすっておしまいですから」

ね? と、邪気のない顔で微笑まれ、仕方なしにその袋を受け取って破く。

まぁね。確かに同意したしね。

大人しく綿棒で自分のDNAを採取していると、そんな私を見つめ、ライが意味ありげに言った。

「結果次第では、さっきの話、僕たち真剣に考えたほうがいいかもしれませんね」





< 30 / 41 >

この作品をシェア

pagetop