イケメン外国人と親交を深めたつもりが、イケメン異星人と恋人契約交わしてました!
異種接近交遊 PART.3
夕方の買い物帰り。
アパートのそばにある駐輪場に、ライの自転車がないのを見ながら、階段を昇ろうとした時。
「ねぇ、ちょっと、いい?」
階下の住人である初老のご婦人に声をかけられた。
「……なんでしょう?」
いつも、すれ違えば挨拶は交わすけれど、それ以上の会話をしたことがない。
私は、表面上は愛想笑いを浮かべたものの、内心めんどいなと思いながら足を止める。
「お宅の隣、外人さんが住んでるわよね? ちょっと黒いっていうか、茶色の」
「……はぁ」
年代的には仕方ないのかもしれないけど、差別的発言だなぁ。
「アレ、その外人さんじゃない?」
アレ、と指された先にあるのは、ゴミの集積所。この辺りの自治会では簡易な柵とネットの囲いしかないので、ゴミ袋があると、すぐに分かる。
そこに、市の指定ゴミ袋と同じ色ではあるけれど、指定の袋ではないのが分かるものが、二つほど置かれていた。
「ゴミの収集、明日でしょ? 昼間から置いてあるのよ」
「それじゃ、違うと思いますよ」
「は?」
「昼間じゃ、彼、仕事中ですし」
あと、ライはルール破るようなヤツじゃないし。
それに、悪目立ちすることは避けてる気がするんだよね、いろんな意味で。