イケメン外国人と親交を深めたつもりが、イケメン異星人と恋人契約交わしてました!

異種接近交遊 PART.3



夕方の買い物帰り。
アパートのそばにある駐輪場に、ライの自転車がないのを見ながら、階段を昇ろうとした時。

「ねぇ、ちょっと、いい?」

階下の住人である初老のご婦人に声をかけられた。

「……なんでしょう?」

いつも、すれ違えば挨拶は交わすけれど、それ以上の会話をしたことがない。
私は、表面上は愛想笑いを浮かべたものの、内心めんどいなと思いながら足を止める。

「お宅の隣、外人さんが住んでるわよね? ちょっと黒いっていうか、茶色の」
「……はぁ」

年代的には仕方ないのかもしれないけど、差別的発言だなぁ。

「アレ、その外人さんじゃない?」

アレ、と指された先にあるのは、ゴミの集積所。この辺りの自治会では簡易な柵とネットの囲いしかないので、ゴミ袋があると、すぐに分かる。

そこに、市の指定ゴミ袋と同じ色ではあるけれど、指定の袋ではないのが分かるものが、二つほど置かれていた。

「ゴミの収集、明日でしょ? 昼間から置いてあるのよ」
「それじゃ、違うと思いますよ」
「は?」
「昼間じゃ、彼、仕事中ですし」

あと、ライはルール破るようなヤツじゃないし。
それに、悪目立ちすることは避けてる気がするんだよね、いろんな意味で。
< 31 / 41 >

この作品をシェア

pagetop