素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜

「やばっ、風邪引いたかな…」

未央は起きると昼ご飯と市販の薬を買いに出てすぐに戻ってきた。

食後に薬を飲んでバイトの時間まで眠った未央

スマホの目覚ましで起きて何とかバイトに行った。

朝に店を出ると春名先生が待っていた。

「もう、先生、どうせなら店に来てくださいよ」

ニコッと笑顔を見せる。

「安永が他のやつにその作り笑顔をして接客してる所なんて見たくないからな」

「私?ちゃんと笑ってますよ」

「……明日地元に帰るんだ」

「そうですか、また東京に来たら…いえ、お元気で」

未央は振り向いて歩き出すと熱でフラついてしまった。

「おい」

「大丈夫です」

「熱があるじゃないか」

「薬飲むんで…」

「家まで送る」

「もう…16歳じゃないんですよ」

「心配なんだよ…」

春名先生は肩を抱いてくれて家まで一緒に歩いてくれた。

玄関を入ると寝室まで連れて行ってくれて「寒い」というと暖房をつけてくれた。

「付けないでください…電気代かかるんで」

「熱あるんだから我慢するなよ、せめて布団が温まるまででも、なっ」

未央は納得したようで布団に入った。

薬と水を取りに寝室を出た春名はいい部屋に住んでるなとキョロキョロ見渡した。
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