素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜

「事情はわかったから私は東京に戻るね、早速バイトを探したいし」

未央は家に泊まるつもりだったが家を出て東京行きの電車に乗った。

電車の中でもバイトのサイトを検索している。

バイト、バイト…


仕送りもしてもらっていて、自分のお小遣いくらいはバイトでと考えていた未央だったが今からはそれじゃあ足りない…


東京のマンションに着き、玄関を開けると知らない女物の靴が玄関のど真ん中に揃えられていた。

その隣には彼氏のスニーカーが無造作に脱がれている。

「はぁ…最低ー」

小さな声でそう言うとスマホで写真を撮る。

玄関の左にはリビングダイニングがあり、そこに居る気配はない、なんなら玄関を開けると音が聞こえる…という事は長い廊下のつきあたりの寝室…


未央はそのまま玄関を出てマンション前に降りてきた。

自転車置き場に荷物を置き、座ってスマホを見ていると男女の声が聞こえた。


未央は隠れてそっと顔だけ出すと付き合っている晴海(はるみ)くんと、同じサークルの弥生(やよい)ちゃんが歩いて出ていった。

とりあえず写真…カシャっと1枚撮ると家の中に未央は入っていった。


「晴海くんて…浮気するんだ」
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