素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜
「年末年始くらいご馳走食べたってよくない?せめて俺がいる間くらいはさ(笑)」
「あ、ありがとう」
余分な食器がないから百均で食器もお茶碗とお皿を揃えてくれている。
「はい、熱いから気をつけて」
すき焼きを小皿に入れてくれた。
「ふっ、…ぐすっ」
「未央?」
「好きな料理…お母さんの作るすき焼きだったの」
未央は涙を拭った。
思い出すから言わなかったのに、結局お兄ちゃんのせいで思い出しちゃった。
お兄ちゃんのバカと未央は笑いながら食べていた。
その笑顔は作られたものではなく俺の好きな笑顔の可愛い未央だった。
「美味しいけど、お母さんの方がもっと美味しい(笑)」
「いつかお母さんに作り方を聞くから」
「でも、お兄ちゃんの事だから高い肉は買ってくるなと思ってた(笑)」
「美味いだろ?」
「うん」
カウントダウンはテレビを見てお蕎麦を食べながら過ごした。
ずっとテレビを見ていて時々ウトウトしながら…
2人が寝室に行ったのは朝方の5時だった。
「おや…す…み」
「うん」
お兄ちゃんはこんな夜更かしは慣れてないからすぐに寝てしまっていた。