素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜

「写真撮ってやるよ」

慎也さんに2人の着物姿を撮ってもらった。

「ありがとう、慎也、明日返しにくるから」

「おぅ」

「ありがとうございました」

お兄ちゃんがカードでお金を払ってくれて私達は美容院を出た。

「この近くにお寺があって慎也の店は正月は着物レンタルをしてるんだ、人気なんだよ」

「たくさん、人いましたね」

「年末年始は大忙しらしい」

「お兄ちゃんは慎也さんの店でカットしてるの?」

「そうだよ、大学の頃からだからもう6年かなぁ」

「え?地元に帰っても?」

「うん、休みに上京して慎也にカットしてもらって終わって呑むってパターンかな(笑)」


「出会ったのはどうやって?」

「…言わなきゃダメ?」

「聞いちゃダメ?」

「俺…大学の時にモデルやってて、そこで出会った」

「モデル!?お兄ちゃんかっこいいもんね」

恥ずかしいなと照れながら少しだけは話してはくれてお寺に着いた。

2日でも初詣に来てる人はたくさんいた。

ゆっくりでいいからなと手を繋いで階段を登る。
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