素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜
「でも俺モテるって知ってはいただろ?」
「知ってたけど…だから浮気がいいって訳じゃないからね」
「うん」
「バイト代もちゃんと貯めなよ、店に使わないでさー」
「何かさ、店に行って俺を冷めた目で見た未央にドキッとしたんだよな」
「はぁ?」
そりゃ、浮気した男なんて見たくないし冷たい態度を取るに決まってんじゃん。
「未央の冷たい態度にちょっと興奮したっていうか…俺さ、女に主導権握られんの正直苦手だったんだよ、だから純情な未央が可愛かったし、まあ、初めてを奪おうと思っていたのは心の中にあった、それはごめん」
「意味わかんないし!」
「別れ話を冷静にしてる未央を何で?って思ったけど何か忘れられないんだよね」
「ドMじゃん!」
あぁと納得するような返事が返ってきた。
未央は正直に話した。
あの日、父親の借金を聞いて自分が働かなきゃいけない立場になったこと、休みなく働いて付き合う事も出来なくなった事、そこに晴海くんの浮気で私の部屋を使って凄く嫌だった事…