素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜
「じゃあ私も行く」
「えっ?大学は?」
「今、春休みだよ」
「やべえ忙しすぎてマヒしてるな俺」
普段土日が休みのお兄ちゃんだがお店の方が忙しくて引越しシーズンは手伝いで今はお休みしていない。
「4月まで頑張ってね」
「頑張る〜けど」
やっぱり疲れているようだ。
未央は冷蔵庫からビールとコンビニのおつまみを取り出してきた。
「1杯だけ引越しの乾杯しようよ」
「おっ、ビールとつまみじゃん」
「コンビニでごめんだけど」
「いや、俺も疲れてちょっと作る気にならないから助かるよ」
「本当?私でも助かる?」
「うん、ありがとう」
プシュッと缶ビールを開けた。
「乾杯〜」
割り箸を1本持ってきて2人でつまみを食べながらビールを呑む。
「あー、美味い!」
「だね、だね」
ソファに横になってテレビを見ていたお兄ちゃんはウトウトし始めた。