素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜
「お兄ちゃん」
「うん」
返事はしても目は開いてない。
未央は絨毯の上に座り膝を立ててお兄ちゃんに声をかける。
「寝室行けば?」
「気持ちいい…」
「お仕事頑張ってるもんね」
「うん…未央も頑張ってるよ、大丈夫…」
「お兄ちゃん…」
「俺が…守るから…」
ありがとう…
未央はお兄ちゃんの口唇に軽くキスをした。
お兄ちゃんは飛び起きた。
「えっ、俺…寝ぼけてやらかした?」
ううんと未央は首を横に振る。
「お兄ちゃんの言葉が嬉しくて…」
「ごめん、何て言ったか覚えてない」
「あんなに会話してたのに?」
「うん」
未央は両手を広げて「抱っこ」と言った。
透は未央を抱き上げて太ももの上に座らすと未央が抱きついてくる。
「ふふっ」と笑うと未央からもう一度キスをした。
「寝室で寝よ、お兄ちゃん疲れてるんだから」
「そうだな」
未央を抱っこしたまま電気を全部切って寝室に横になる。