素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜
「カフェかな」
車に乗って1時間ほど走ると海が見えるカフェに到着した。
「海だーーー、久しぶりかも」
カフェで飲み物を注文して歩いていくとブランコがあった。
「えっ?これは怖いかも」
「もう大人なんだから大丈夫だよ」
「だって…」
ここは恋人が海に向かって叫ぶと幸せになるらしいとお兄ちゃんが看板に書いてあるのを読んでくれた。
「お兄ちゃんは恋人じゃないもん…」
「あっそ、じゃあ帰るか」
看板からくるっと背を向けた。
「ちょっと待って、一緒に乗ってよ」
「狭くね?」
確かに体重のバランスが…
えーと…
「お兄ちゃんがまず乗って」
透は座った。
両手で紐を持つと未央がよいしょと太ももの上に座ってきた。
「お前なぁ、ソファならわかるけど動くんだぞ?」
未央は座るとお兄ちゃんの腰に両手を回してひっついた。
「ゆっくりめに漕いでください」
「全く…微妙にはずかしいんだが?」