素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜

「大丈夫だよ、多分」

透は漕ぎ始めた。

「絶対離すなよな」

「うん」

ゆっくりのつもりだったが透は段々勢いをつけて漕ぎ出した。

「いやあ、怖いよ」

「だから捕まってろって」

ぎゅーっと力が入る。

「顔だけ後ろ向いてみ?」

お兄ちゃんの声に恐る恐る後ろを向くと

「わぁー、きれーい、海がキラキラ光ってるよ」

怖がっていた顔が笑顔に変わった。

あっ、そうだ海に向かって叫ぶんだよね…

「お兄ちゃーん、色々ありがとーー、大好きーー」

「えっ?マジで?」

「エヘヘ、言っちゃった(笑)」

ブランコの勢いは弱まっていて、もうすぐ止まりそうだった。

未央は両手を透の首に回した。

「待たせてごめんね、普通の生活に戻るから優しいお兄ちゃんとずっと一緒にいたいです、大好き」

未央からキスをした…

ブランコが止まると透は未央を抱きしめて長いキスをした…

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