素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜
夢中になってかぶりついていた未央
「ふう、美味しかった」
「だな」
お兄ちゃんは未央の口の周りを拭いてくれた。
「5分くらいいい?」とお兄ちゃんは言うと
車の中で舌を絡ませて濃厚なキスをくれた。
「ハァハァ…もうだめ、後はホテルでね」
お兄ちゃんは何故か満足気で、私はやっぱり負けた気がするんだよな。
お兄ちゃんはサンシェードを外して未央の母親の所に向かった。
お母さんは姿を見るなり抱きしめてくれた。
「もう、心配したんだからね」
「ごめんなさい」
市営団地に住んでいたお母さんと弟、弟は部活でまだ帰ってないけど先にお父さんが「ただいま」と帰ってきたのだ。
一応住むところは別なんだけどお母さんの夕食を食べに来たり関係は良好だったのだ。
未央は通帳を見せた。
「こんなに?」
「弟に大学に行って欲しくて…」