素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜
「未央、ありがとうね、とても助かるわ」
「うん、これは預けておくね、自分の生活費は別の口座にあるから困ったら使って欲しい…」
「必ずまた一緒に住めるようにお父さんがんばるから」
「その事なんですが、お父さん…今未央と暮らしていまして…」
「透くんが未央と…」
「帰れなかったんで後からの報告になってしまったことは謝ります」
「お兄ちゃんのせいじゃないの、私がお金が貯まるまで連絡しないって決めていたからなの」
「透くん、ありがとう、寂しがり屋の未央を助けてくれて」
「さあ、ご飯にしましょ」
久しぶりにお母さんのすき焼きを食べた。
「たしかに…美味しい」
お兄ちゃんはぼそっと言って未央の方を見た。
未央はドヤ顔で笑っていた。