素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜
東京に戻り透が仕事から帰ると
「キャー」
ガチャガチャと鍋の音が響く。
「未央、何してんだ?」
「えー、すき焼き作ろうと思って」
未央はこの前戻った時に作り方を聞いていた。
「こんなに鍋いる?(笑)」
「だって前にどの鍋を使ったか憶えてなくて…鍋が重なってたのがわからなかったの」
「うん、だから無理するなって」
「だってー、お兄ちゃんにご飯を…あっ」
未央は口を塞いだ。
透が鍋を拾い上げて「高い所は椅子を使う!」と言うと
「よいしょ」と未央を抱えあげた。
「透(とおる)くん、どこいくの?」
「お腹空いたから未央から食べようかなって(笑)甘い声も聞きたいしな」
「お兄ちゃん、あっ、また言っちゃった…透くん、待って〜」
「だーめ、2回お兄ちゃんて言った、おしおきー」
「やぁー、透くん、透くんて呼ぶからぁ」
2人は寝室に消えていった…
END