素直になって甘えてほしい〜強がる彼女の事情〜

11時すぎに4人の会社員だろうか、スーツを着た男性が来店して私が接客をすると「安永?」と声をかけられた。

「みぃちゃんです、よろしくお願いします〜」

声をかけられた人をなるべく見ないように他の3人とたくさん話していく。

「春名さん、酔いましたか?」

「いや、大丈夫です」

やっぱり春名先生だ…

未央が高校1年生の時に教育実習でやってきた先生。

どうして東京で会うの?

でも私の事を安永って言ったから間違いない。

春名先生は最初に私を呼んでからは話しかけてこなかった。

4人は帰っていき未央は休憩に入った。


びっくりした、知り合いに会ったのは初めてだったから…

パジャマがコンセプトのガールズバーはやっぱり夜の店とあって少し胸元はボタン1つは開けていて、未央はメガネをかけていたのにたった2週間の教育実習の生徒の事なんて憶えているかな


閉店時間になり、未央は店を出た。

「寒っ」

今日は疲れたな、忙しかったし春名先生の時はすごく気が張っていたから…

さて帰って寝ようと歩き出すと「安永未央」と声が聞こえた。

もしかして待ってた?
こんな時間まで?
何のために?


未央は足を止める。
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