Rainbow moon...
「よしよし。ことちゃん頑張ったね。もう終わりだからね。ゆーっくり息して酸素たくさん吸ってね。泣かなくて大丈夫だよ。」

まだ5分も検査してないのに⋯自分の軟弱さ加減と息苦しさで涙が出てきた。

「今泣いちゃうともっと苦しくなっちゃうからね。一緒に深呼吸して呼吸落ち着かせようね。あと、冷たいタオルおでこに置くよ。大きく息を吸ってー、吐いてー。ことちゃん上手上手。もう1回吸ってー⋯」

寧々さんのおかげですぐ息は整ったけど心臓のドキドキが止まらない。そのドキドキに合わせるかのように汗も止まらない。モニターもずっとアラームが鳴りっぱなし。パジャマが汗でぐっちょりになる。寧々さんは体制を変えずずっと支えてくれてる。
私の病気は原因が分からない。いつ何が起こるかも分からなくて対処法がない。
でも少しづつ落ち着いてきたのはここが病院だから。病院は嫌いだけど私は病院がないと生きていけない。それを実感する。
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