Rainbow moon...
「お部屋に到着。検査お疲れ様。先生の指示でもう少し数値見たいから機械は付けたままにしててね。」

寧々さん、他愛もないことには反応しなくても全然怒んないけど治療のことになると別。なんなら私そのこと忘れててそそくさお布団に潜ろうとしてたら腕を掴まれた。

「⋯ことちゃん?お耳あるよね?お口もあるよね?私大事なこと言ってるんだけどお返事してくれないかな?それはいつも言ってると思うんだけど。車椅子に乗らせたのが嫌なのはいい。でも、高校生になったんだからそこの区別はしてね?分かった?」

あぁ。怒ってる。

「はい。⋯ごめんなさい」

すぐに笑顔になる寧々さん。この人怒らせたら本当に怖いんだろうな⋯。でも、それだけ本気で向き合ってくれてる証拠でもあるよね。

身の回りの整理をしてくれて寧々さんはお部屋から出ていった。
たった5分ほどの検査だったけど疲れたなぁ。いつの間にか眠気に襲われて寝てしまった。
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