Rainbow moon...
「⋯実?琴実?」
泣きながら目を覚ますといつの間に来たんだろう。空冬が居た。
「大丈夫か?嫌な夢でも見た?すごいうなされてたけど。」

「そ、空冬とふうちゃんとあそ、遊んでたのに2人とも怖いこと言ってわ、笑うんだもん」

空冬が手を握ってくれた。
「俺も姉ちゃんもそんなことしねーよ。絶対。琴実を1人になんかしない。俺は約束できる。」
涙を拭ってくれ優しく微笑んでくれた。

「それよりも聞いてくれよ、今日担任の遠藤がさ⋯」
私が入院してもいつもと変わらない空冬。空冬らしいっちゃ空冬らしい。微笑ましくなる。

「⋯んで、薫琉まで笑いだしてさ。面白かったんだぜ」
思い出し笑いしながら出来事を話してくれる空冬。
空冬の声も横顔も微かに香る制汗剤の匂いも全てが愛おしい。

「あ、それと琴実が欲しがってた飴。買ってきたよ。
これ、今女子の中で人気なんだって。前にいた子達が買い占めて最後の1個だった。」
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