大好きだから私はあなたを忘れた
「じゃあさ、その時にチーズケーキも作らない?」

私はふと思いついて言った。

「え、作るの?食べれるかなあ」

「材料持って行くから。あと瑠奈は大食いでしょ」

「何いってんの。玲衣のほうが大食いでしょ」

私達はめちゃくちゃ食べる。

だからケーキ二個でも余裕で食べれると思う。

「うぅーお腹減った」

瑠奈がお腹をさする真似をしながら言った。

「ほら始まった。さっき食べたのにもうお腹空いてるじゃん。やっぱ瑠奈のほうが大食いだね」

「ちーがーうーっ!どうせ玲衣だってお腹減ってるでしょ」

謎の言い争いが始まった。

「……んー、まあ満たされてはないなあ」

私が思ったことを口にすると、瑠奈がほら!と私を指さした。

たぶん瑠奈は自覚してないけど、指をさす癖があるようで。

いいとも悪いとも言えないような癖。

瑠奈がそうやって指をさすのはもう当たり前になっていて、その数秒前には予知できるほどになった。

私は、その癖を自覚しているのかどうか試してみた。

「ね、自分の癖とか、あると思う?」

わざと遠回しに言った。

「癖?口癖とかってこと?」

「んー、まあ口癖もそうだけど、普通に癖」

たぶん瑠奈は、今の話を完全に理解してない。
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